突然ですが、会社にぶら下がり社員や、他人事のように仕事をする社員が多いと感じることはないでしょうか?

 

実は、社員の問題ということではなく組織がそういった社員を生み出している可能性もあります。

 

1店舗の法人で実際にあった話

私が以前人材紹介でお伺いした企業様の実際のお話です。

仮にA社とします。A社は地方にある1店舗のパチンコ店で台数は500台程です。

社員は社長や役員を除いて7名おり、アルバイトは15名でした。

 

お問い合わせを頂いたのは、現在の部長へ不信感があり、代わりになる人材を探したいとのことでした。

 

他責にする管理職者

A社には社長の下に、部長、課長、店長、主任、班長、社員2名おりそれぞれ他責傾向が強いとのことでした。社長に許可をもらい、3ヶ月かけて第三者ヒアリング担当として1人につき3回面談を行い、話を聞きました。

話の中で私が感じた各職位毎の印象です。

 

部長:ホールへは一切でない。毎日日報を作成し社長に提出することが仕事と思っている

 

課長:部長から言われたとおりに営業指示をし、予算未達でも自分は関係ないと思っている

 

店長:上司からの言うとおりに動いており、商圏客数も減っているのでしょうがないと思っている

 

主任:魅力の感じない上司ばかりで、とりあえず今の給与がもらえればいいと思っている

 

班長:仕事を押し付けてくる上司ばかりで辞めたいと思っている

 

社員:転職を考えながら、気力なく働いている

 

このような状況でした。

この場合、私は上から問題点を見ていきます。

 

組織図が原因だった?

最初からA社がこのような状況ではなかったと社長は仰いました。他の部長や課長、店長に聞いても昔は厳しかったなどと話されましたので、おそらくどこかでおかしくなったのだろうと思い、今度は現在から過去に少しずつ遡って調べていきました。すると、6年前の大幅な組織改革からおかしくなっていったと私は仮説を立てました。

 

指示はシンプルにすべし

左が以前で右が現在

見ての通り、以前は社長から現場までがシンプルな一直線でした。ですが、現在は部長、課長など1店舗にも関わらず職位が乱立し、業務内容もそれぞれに責任ある内容を割り振ってしまったために、部長、課長も「これは俺の仕事ではない」という感情が芽生えて、結果今に至ったと思いました。

 

物凄く単純なことです。

これまでは店舗予算管理と機械購入は部長が責任者として下に指示をしていたのに、6年前から機械購入は課長が取りまとめて課長権限で購入できるようになった。その為部長は関与しなくなり、店舗予算が未達でも、今回導入した機械が良くないと他人事のように言い始め、課長は部長の店舗運営が良くないと言い始めたのが今に至るということでした。

 

今回は、本当にあった事例を共有させて頂きました。

もちろん、社員に原因があるかもしれませんが、実は組織(環境)そのものが原因になっているケースが多々ございます。

たまに女性が、「私っていつも付き合う人がダメ男ばかりなの」という方がいますが、それはダメ男だったのではなく、付き合う中で、その女性がダメ男にしてしまっているということに気づけないのと同じです。

 

是非今回の内容が少しでもご参考になりましたら幸甚です。

 

 

齋藤裕樹

職業紹介士の資格を取得し、人材紹介事業を行う中で入社後の早期離職に疑問を感じ、複数のクライアントより第三者外部ヒアリング担当として定期的に依頼を受ける。現在は4社で毎月53名のスタッフとオンラインヒアリングを行い、クライアントと一緒に内側から組織サポートを行っている。